リスク回避のクロス取引!
株主優待をもらうためには、権利付最終日までに株を買わなくてはいけません。
しかし、権利落ち後に株価が下がってしまい、優待の価値以上の損失を出してしまったということがよくあります。
それを回避するための方法が、クロス取引です。
クロス取引を行えば、株価が下がっても損失を出すことなく、優待がもらえてしまうんです!
では、クロス取引のやり方を早速説明しましょう!
クロス取引の方法
- 権利付最終日までに「現物取引の買い」と「信用取引の売建」を同じ値段で同時に行います。
- 権利落ち日に「現渡(げんわたし)」という方法で決済します。
株価が下落すると、現物で買った株には損が出ますが、信用取引の売建玉は利益が出ます。
現物買いの損失と信用売りの利益が相殺されるため、株価変動の影響を受けずに済むわけです。
クロス取引注意事項
クロス取引は現物買いと信用売りを同じ株価にする必要があります。
というわけで、同時に行う必要があり、
寄付前に成行で「現物買い」と「信用売り」を同時発注
する必要があります。
これを間違うとクロス取引が成り立たなくなるので注意しましょう!
クロス取引必要コスト
クロス取引は現物買いと信用売りを行うので、現物取引の手数料・信用取引の手数料や貸株料などがかかります。
◆主な取引コスト
- 売買手数料(現物買い・信用売り分)・現渡しは手数料無料
- 信用取引貸株料 信用売りは株を借りて売る取引なので、株を借りた日数分の貸株料がかかります。
- 逆日歩 制度信用取引の場合は、信用売り銘柄が株不足になると追加料金が発生します。人気優待株では逆日歩が高額になる場合があるので注意が必要です。
※これ以外に配当金と配当調整金の差額が一時的に取られてしまうようですが、配当金を証券会社の口座で受け取る「株式数比例配分方式」にしてあれば自動的に損益通産され差額は後から還付されるようです。このあたり、ちょっとややこしいのですが、要は損はしない!という風に考えて良さそうです。
◆ちなみに松井証券にはこう記載されています。
配当のある銘柄を信用売りした場合、信用買いをしている人に対して配当相当額の支払いを行う必要があります。クロス取引をする場合、「信用売りで支払う配当相当額」と「現物買いで受け取る配当金」の差額が実際のコストになります。
※取引口座の状況などにより、税額が還付される場合があります。
逆日歩のリスク回避、一般信用売り
株価変動のリスク回避のためにクロス取引を行っているはずが、逆日歩が高額で思わぬ損失を追う可能性も時にはあります。
しかし、売りを一般信用で行えば逆日歩はつきません。
逆日歩リスクの可能性をなくすためには「一般信用」(無期限信用と言う場合もある)を使うほうが良いでしょう。
ちなみに、私がクロス取引を行うときは売りは全て「一般信用」を使っています。
一般信用(無期限信用)が使える証券会社は限られている
一般信用が使える証券会社は「松井証券」「カブドットコム証券」「SBI証券 」「楽天証券」が主です。
その中でも、一般信用には返済期限が無期限の「無期限信用」と期限の決められている「長期」や「短期」があります。
と返済期限はまちまちですが、無期限信用の方が貸株料利率が安いかわりに銘柄も少なめです。
返済期限が短期の銘柄は貸株利率が少々高いですが銘柄数は多めで、人気優待銘柄も多々あります。
ただし、返済期限が短かったりするので注意が必要です。
クロス取引は権利付最終日寄付がコスト最安値
権利付最終日にクロス取引をすれば、貸株料のかかる日数が少なくすむのでその分手数料は安く抑えることができます。
しかし、人気優待銘柄ともなると、早めにクロス取引を入れ優待を確実に手にいれようとする方も結構いらっしゃいます。
そうなると一般信用売につかえる株数が足りなくなってしまい、売りが使えなくなる場合もあります(売禁)。
そうなった場合は一般信用でのクロス取引が不可能となってしまいます。
絶対に一般信用でクロス取引をやりたい!という場合は権利付最終日より早めにクロス取引をしておくほうが良いでしょう。
一般信用の返済期限に注意
ただし、一般信用短期銘柄の場合は、あまり早くクロスしてしまうと返済期限が権利落ち日の前にきてしまうので注意が必要です。
早めの場合でも申込みが殺到する場合は早いもの勝ちの証券会社もありますが、カブドットコム証券の場合は、抽選になります。
カブドットコム証券の一般信用売建可能数量(在庫株数量)は毎日19:00に更新され、申し込むと20時から抽選になりますが、この抽選なかなか厳しくほぼ当たりません。
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