漫画「株入門」!第8回「NISA注意事項!」

8 NISA注意事項 のコピー

NISAは1人1口座

証券総合口座は複数の証券会社で開設することができますが、NISA口座は1人につき1口座しかつくれません。
しかし、もし証券会社を変えたくなった場合は、1年に1度だけ変えることはできます。

 

NISAは損益通産ができない。

複数の証券会社で株を売買していた場合、損失が出た口座と利益が出た口座があったとします。その場合は損益を通算して利益が出た口座で払い過ぎた税金を還付してもらうことができますが、NISA口座ではそれができません。
また、ある年の株式取引の損失を確定申告で報告しておくと、3年間の株式取引の利益に対して、過去の損失分を差し引く繰越控除という措置をとることができますが、NISA口座ではそれもできません。

 

NISA口座はリサイクルできない

NISAで買った株などを一度売ってしまうとその売った分の金額は再利用できません。
例えば120万の枠のうち、20万で株を買い、すぐに売ってしまったとします。
その場合でもNISA口座でその年買える株は残り100万円となり、売ってしまった20万円はリサイクルすることができません。
未使用分も翌年に繰り越すことはできません

 

配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」にしておく

NISA口座で株などの配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」にしておかなければなりません。
「株式数比例配分方式」にしておけば配当金がNISA口座に入金され非課税となりますがそれ以外だと課税されてしまいます。

 

損失が出ているのに課税される罠!

NISAで5年保有していた株に損失が出ていたとします。
例えば、100万円で買った株が80万円になったということです。
5年経ったので、NISAではない証券口座にNISAで保有しているうちに株価が下がり80万になった株を移管したとします。
するとその株は元々100万だったにもかかわらず、80万で買った株と認識されてしまいます。
その後株価が騰がり、100万円に戻ったとします。ただ、移管した時は80万円だったので20万分値上がりしたと考えられてしまうのです。
そこで100万で株を売ったとしたら20万は値上がり分と考えられてしまい、その20万には税金がかかってしまうのです。

 

これらのように、NISAでは良い事ばかりでなく、デメリットもいくつかあります。
特に損益通産ができない事と、移管した時に損失がでていると、損失部分にも課税されてしまう可能性があります。
NISAは利益に対するメリットは大きいですが、損失に対しては少々厳しい制度と言えるでしょう。

 

現在公開済みの漫画「株入門」はこちら


第1回 株ってなんだろう
第2回 株を買うメリットデメリット
第3回 株の買い方(証券口座について)
第4回 株の発注方法
第5回 銘柄選び
第6回 株の売却と税金
第7回 NISAってなんだろう?
第8回 NISA注意事項
第9回 NISA口座の開設
第10回 株主優待をもらうには
第11回 優待タダ取りクロス取引
第12回 IPO株とは?
第13回 IPO株の買い方
第14回 四半期決算について